24.12.13
犬と暮らすおしゃれな家|間取りアイデア10選&愛犬と快適に過ごすコツを紹介
ペットと室内で一緒に暮らすことが日常的になっている今、愛犬も快適に過ごせる家づくりが注目を集めています。
特に、犬は人間の生活に密接に関わるため、住宅の間取りや設備についても犬の生活を考慮して設計することが重要です。
今回は、犬と一緒に暮らすおしゃれな家を実現するための間取りアイデア10選を紹介します。さらに、愛犬と快適に過ごすためのポイント、実際の施工事例もあわせてお伝えしますので、ぜひご参考ください。
人も犬も快適な家づくりをするための基本
犬と暮らす家は、人も犬も快適に過ごせる空間であることが理想です。そのためには、犬の習性や特徴を理解し、家づくりに反映させることが重要です。
安全に配慮した間取りや設備はもちろんのこと、愛犬がのびのびと過ごせるスペースの確保や、動線や掃除のしやすさなど飼い主にとっての暮らしやすさも考慮して計画しましょう。
犬と暮らす家づくりで考慮すべきポイントを以下にまとめました。
快適な住環境は、愛犬の健康維持にも繋がります。上記で挙げたポイントを踏まえ、人も犬も快適に過ごせる理想の住まいを実現しましょう。
犬と暮らす家の間取りアイデア10選
犬と共に快適に暮らすためには、ライフスタイルや犬の行動を考慮した間取りづくりが鍵となります。ここからは、愛犬との生活をより豊かにする間取りアイデアを10選ご紹介します。
1.程よい距離感を保つ「愛犬スペース併設型LDK」
家族が集まるLDKに愛犬専用スペースを設けることで、ペットは常に家族の気配を感じながら安心してくつろぐことができます。飼い主にとっても、愛犬の様子を常に確認できるため安心です。
愛犬スペース併設型LDKを実現するための具体的な方法として下記が挙げられます。
・リビングの一角に愛犬用のサークルや柵を設置する
・小上がりの畳スペースや一部だけ床材を変えたスペースを愛犬スペースにする
・階段下やデッドスペースを愛犬の居場所として有効活用する
・リビングに隣接した小部屋を愛犬スペースにする
注文住宅なら愛犬スペースのデザインは、家のインテリアや愛犬のサイズ、性格に合わせて自由にカスタマイズできます。愛犬が落ち着けるような落ち着いた色合いの壁紙を選んだり、お気に入りのベッドや玩具を置いたりすることで、より快適な空間をつくり出すことができるでしょう。
2.外を眺められる窓際スペース
犬は好奇心旺盛な動物です。室内にいても外の景色を眺め、通行人や鳥、車の動きなどに興味を示します。
外を眺めることで、刺激を受けたりリラックスできたりするため、退屈を防ぐ効果も期待できるでしょう。
犬が窓の外を眺めやすいように、窓際の低い位置にスペースを確保することがポイントです。床にマットやクッションを敷いたり、小型犬であれば小さな台を置いたりすることで、犬が快適に過ごせる空間をつくり出せます。
また、カーテンやブラインドを設置すれば、日差しや外からの視線を遮り、プライバシーを守ることができます。ただし、犬がいたずらで破ったり、噛んだりしないように、素材や設置方法に工夫が必要です。安全な素材を選び、手が届かない場所に設置する、あるいは定期的に点検を行うなどして、事故を未然に防ぎましょう。
3.汚れに強くお世話がしやすい「広めの玄関土間」
犬を飼っている家庭では、散歩後の足洗い、雨の日のケア、夏の暑さ対策など、玄関での作業が多くなります。玄関の土間スペースを広く設けることで、これらの作業がスムーズに行え、愛犬にとっても快適な環境になるでしょう。
例えば、土間に水栓と流しを設置すれば、散歩後の足洗いや汚れたタオルの洗濯も容易になります。また、収納棚を設ければ、犬用グッズを整理整頓し、玄関をすっきりとした印象に保つことができます。
さらに、土間の素材にもこだわってみましょう。タイルやコンクリートなど汚れに強く水はけの良い素材を選べば、お手入れの手間が省け、清潔な環境を保ちやすくなります。
4.階段下を活用した「隠れ家風愛犬スペース」
階段下のデッドスペースを犬のための「隠れ家」風スペースとして活用するのもおすすめです。
狭い場所や、隠れ家のような閉鎖的な空間を好む犬にとって、階段下は最適な空間です。デッドスペースになりやすい階段下を有効活用して、愛犬用の快適空間をつくってあげましょう。
階段下を愛犬スペースにする際の注意点として、換気を十分に行うことが重要です。近くに窓を設けたり、換気扇を設置したりして、空気の流れを確保しましょう。また、夏場は温度が上がりやすいので、温度管理にも気を付けることが大切です。
5.室内でものびのび動き回れる「回遊動線」
犬は運動能力が高く、室内でも活発に動き回りたい生き物です。特に、若い犬や運動量の多い犬種は、十分な運動ができないとストレスを溜め込んでしまう可能性があります。
回遊動線の間取りとすることで、犬が自由に動き回れるスペースを確保し、運動不足やストレスの解消に繋げることができます。
具体的には、リビング・ダイニング・キッチンを繋げたLDKを回遊できるようにする、廊下に行き止まりをつくらず回遊性を持たせるといった工夫が考えられます。また、室内から庭やベランダへのアクセスを確保することで、さらに犬の活動範囲を広げることができるでしょう。
6.日向ぼっこできる「広々ウッドデッキ」
愛犬にとって、日向ぼっこは健康維持に欠かせない習慣です。広々としたウッドデッキは、愛犬に快適な日向ぼっこスペースを提供するだけでなく、飼い主にとっての憩いの場にもなります。
ウッドデッキを設置する際は、犬種に合わせた広さを確保することがポイントになります。
小型犬であれば、数平方メートルでも十分ですが、大型犬の場合は、より広いスペースが必要です。また、日当たりや風通しが良い場所に設置することで、より快適に過ごせる空間になります。
安全性にも配慮し、ウッドデッキの周囲にフェンスを設置したり、滑りにくい素材を使用したりするなどの工夫も検討してみましょう。
7.便利に使える「動線に沿った立水栓」
散歩から帰ってきて、すぐに愛犬の足を洗えるように、動線上に立水栓を設置すると便利です。
おすすめの設置個所は、玄関脇や庭、ガレージなど。外回りに設置すれば、屋外でシャンプーすることも可能になります。
立水栓を設置する際は、犬を繋いでおくリードフックもあわせて設置しておくと便利です。
また立水栓にシャワーヘッドを付けることで、さらに使い勝手が良くなります。シャワーヘッドは、水圧を調節できるタイプがおすすめ。水圧が強すぎると犬が怖がってしまう可能性があるので、優しく洗えるように調整しましょう。
さらに、混合水栓を設置してお湯を出せるようにすれば、冬場も快適に使用できます。
8.安心・安全に思いっきり走り回れる「ドックラン」
ドックランは、リードを外して犬を自由に遊ばせることができるため、犬にとってはもちろん、飼い主にとっても嬉しい設備です。
自宅にドックランがあれば、いつでも気軽に愛犬を外で遊ばせることができます。広々としたドッグランは、犬の運動不足解消に役立ち、ストレス軽減にも繋がります。
ドックランの広さは、小型犬であれば5~10㎡、中型犬で10~20㎡、大型犬の場合は20㎡以上が目安です。
犬が飛び越えたり、すり抜けたりしない高さ・強度のフェンスを設置して、安全性にも配慮しましょう。
9.室内でも日光浴できる「サンルーム併設型愛犬スペース」
愛犬にとって、日光浴は健康維持に欠かせない習慣です。しかし、天候や季節によっては屋外での日光浴が難しい場合もあるでしょう。
そんな時に便利なのが、サンルーム併設型の愛犬スペースです。室内にいながらにして太陽の光を浴びることができ、季節に関係なく日光浴を楽しめます。
ただし、サンルームは外気温や日射による影響を受けやすいスペースでもあります。窓や換気扇を設置したり、飼い主の不在時にも適温を維持できる空調を稼働させたりなど、温度管理に気を付けましょう。
10.汚れ・キズが目立たず掃除もしやすい「室内土間」
愛犬との暮らしでは、どうしても汚れやキズが気になるもの。特に床は、爪による掻きキズができやすく、食事を食べこぼしたり泥のついた足で歩いたりなど、汚れが付きやすい場所でもあります。そんな悩みを解決してくれるのが、室内土間です。
室内土間とは、リビングやダイニングなどの居住空間の一部に設けた土間スペースのこと。玄関土間のようにタイルやコンクリート、モルタルなどで仕上げると、汚れやキズに強い床を実現できます。
室内土間は汚れを気にせず愛犬を遊ばせられるだけでなく、飼い主にとっても「掃除がしやすい」「おしゃれな空間を演出できる」といったメリットがあります。
愛犬の居場所や食事・トイレスペースのみならず、DIYの作業スペースやアウトドア用品を保管する場所としても便利です。
さまざまな趣味を持つ愛犬家にとって、最適な間取りといえるでしょう。
愛犬と飼い主が快適に過ごすためのポイント
愛犬と快適に暮らすためには、住環境を適切に整えることが重要です。
ここでは、愛犬と飼い主がより快適に過ごすためのポイントを、床材、壁材、階段、収納、室温管理、換気、安全対策、清掃性といった側面から解説します。
滑りにくく掃除しやすい床材
犬はフローリングの上だと滑りやすく、関節を痛める可能性があります。
一番滑りにくい床材としてはカーペットが挙げられますが、汚れが気になる場合はペット対応のフローリングや、防滑コーティングの採用を検討しましょう。
夏場はひんやりとした感触の凹凸感のあるタイルもおすすめです。冬は床暖房やホットカーペットを取り入れるといった工夫で、快適に過ごせるようにしてあげましょう。
キズや汚れに強い壁材
犬は壁に体をこすりつけたり、爪で引っ掻いたりすることがあります。キズや汚れに強い壁材を選び、汚れやすい部分は腰壁パネルなどを設置すると安心です。
壁紙を選ぶ際は、撥水性や耐久性、防汚性や防臭性といった機能性にも注目してみましょう。トイレや食事スペースの周りに機能性壁紙を用いれば、より快適な室内環境を維持できます。
昇降しやすい緩やかな階段
高齢犬や小型犬にとって、急な階段は負担になります。昇降しやすい緩やかな階段、またはスロープを設置しましょう。
高い段差がある場合は、ペット用ステップなどを活用するのも有効です。
愛犬グッズ・フードの収納スペース
フードやおもちゃ、ケア用品など、犬のグッズは意外と場所を取ります。専用の収納スペースを設けることで、家をすっきりと保ち、必要なものをすぐに見つけられるようにしましょう。
フードなどは重量があるため、食事スペースだけでなく、買い物後から収納までの動線を考えながら置き場所を計画すると、飼い主の負担も少なくなります。
快適性を保つ室温管理
犬は体温調整が苦手なため、室内の温度管理が重要です。
特に夏場は熱中症の危険性がアップするため、エアコンや扇風機などを活用して室温を適切に保ち、必要に応じてクールマットなどを活用しましょう。冬は、過ごしやすい温度を保ちつつ、空気の乾燥度合いに応じて加湿を心がけることが大切です。
ニオイ対策と健康管理のための換気システム
犬の体臭やトイレのニオイ対策として、こまめな換気は欠かせません。
24時間換気システムだけでなく、空気の循環しやすい間取り、通風を確保する工夫が重要です。
常時開け放しておける引き戸や、空気を循環させるシーリングファンなどの採用を検討しながら、快適な室内環境をつくるための工夫を考えましょう。
事故を防ぐための安全対策
犬が誤って口にしてしまうと危険な洗剤や薬品、観葉植物などは、手の届かない場所に保管しましょう。電気コードやコンセントなども、安全対策を施すことが大切です。
さらに、高所の窓辺や吹き抜け、ベランダ・バルコニーからの落下防止策、浴室での溺れを防ぐ対策も欠かさず行いましょう。
危険な場所には入らせない間取り計画が重要です。
清潔な環境を保つ清掃性
犬と暮らす家は、どうしても汚れがちです。しかし、毎日何回も家の掃除をするのは、飼い主にとって大きな負担になってしまいます。
内装材は汚れにくく掃除しやすい素材を選ぶ、掃除ロボットが動きやすい間取りにするといった工夫で、最低限のお手入れでもきれいな空間を維持しやすいプランを検討しましょう。
犬と暮らす家のおしゃれな実例
ここからは、愛犬と暮らす家の施工事例を紹介します。家づくりをご検討の方は、ぜひ参考にしてください。
【施工事例①】広々ドックランとつながる開放的なリビングがある家
新しい住まいを建てられるにあたり、お施主様ご夫婦からお伺いしたご希望は「ドッグランやBBQが楽しめる家をつくる」という内容でした。
近隣に川が流れる緑豊かなエリアに建てたお家では、敷地の高低差を活かし、駐車スペースの上に大きなウッドデッキを完備。BBQはもちろん、お子様との遊び場、愛犬のドッグランとしても使える多目的なスペースになっています。
また、吹き抜けを取り入れたLDKとの相乗効果で、開放感を感じながら暮らせる魅力的なお家になりました。
【施工事例②】スキップフロア下のペットコーナーがある家
「1階で生活が完結する家」をテーマに、スキップフロアを設けた開放感あふれるリビング、グレーのオシャレなキッチン、回遊できるランドリールームなどを実現したお住まいです。
窓の配置は最低限にもかかわらず、「吹き抜け+スキップフロア」の組み合わせにより、大空間が広がる開放的で明るい室内環境をつくり上げました。スキップフロア下の4帖の空間は、ペットたちのスペースとして活躍中です。
【施工事例③】キッチン土間でペット快適&汚れに強い家
北欧の「ヒュッゲ」の考え方を軸に、ご家族がお家で心地良く、幸せな気持ちで暮らせるような住まいづくりを進めました。
間取り部分では「生活動線・お客様動線・家事動線」と3つの動線をつくり、ご家族それぞれにとってストレスフリーなLDKを実現。
キッチンの作業スペースは一段下がった室内土間仕様で、調理で汚れたり、愛犬が汚したりしてもゴシゴシ洗える清掃性が魅力です。
家の随所に配された「居場所」や、広々としたウッドデッキとお庭など、人も犬も快適に過ごせる工夫が盛りだくさんの住まいとなりました。
厚木・海老名・町田で注文住宅を建てるなら「サラホーム」桜建築事務所へ
今回は、犬と暮らす家のおしゃれな間取りアイデア、家づくりのポイントを紹介しました。
愛犬と快適に暮らせる理想の住まいを実現するためには、家づくりのパートナー選びが重要です。犬の特性や犬種に配慮した家づくりには特殊なプランニングが必要になるため、実績に富み、専門知識の豊富な設計士への依頼が欠かせません。
「サラホーム」桜建築事務所では、経験豊富な建築のプロフェッショナルが、お客様一人ひとりのライフスタイルや愛犬の特徴を丁寧にヒアリングし、最適なプランを提案いたします。デザイン性だけでなく機能性・安全性にもこだわった、世界に一つだけの理想の住まいを実現します。
厚木・海老名・町田エリアで注文住宅をご検討の方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。「家づくり相談会」も随時開催しております。
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監修者:髙橋 康征(たかはし やすゆき)
一級建築士/一級土木施工管理技士/CASBEE建築・戸建評価員/インテリアコーディネーター
日本大学生産工学研究科建築工学専攻修士課程を修了し、一級建築士として数多くのプロジェクトを手掛ける。家業の土木建設会社にて宅地造成・エクステリア施工業務を経て、桜建築事務所に入社。住宅分野に限らない幅広い知識による提案や固定概念に囚われない設計が好評を得ている。「ジャーブネット全国住宅デザインコンテスト グランプリ受賞」「2013年2022年2023年LIXIL全国メンバーズコンテスト 地域最優秀賞受賞」など、住宅デザインコンテスト受賞実績を多数保有。