スーパーウォール工法リフォームとは?古い住宅の寒さを解消する仕組みとメリットを解説

住み慣れたご自宅や、ご両親から受け継いだ実家。これからも長く住み続けたいと思う一方で、「冬の底冷えがつらい」「隙間風が気になる」と感じ、リフォームを検討する方は少なくありません。
寒さ対策として内窓の設置は有効ですが、築年数の経った住宅は、壁や床など「家全体」の断熱不足が冷えの根本原因であるケースがほとんどです。そこで選択肢に入れたいのが、家全体の断熱性能を根本から整える、LIXILの「スーパーウォール工法(SW工法)」です。
この記事では、スーパーウォール工法がなぜ寒さを解消できるのか、その仕組みと選ばれる理由を分かりやすく解説します。
スーパーウォール工法リフォームで保温性の高い(高気密高断熱な)住宅へ
スーパーウォール工法(SW工法)リフォームは、新築住宅に行う工法を、現在のお住まいにも活用し、住宅性能が向上したお家に生まれ変わらせるリフォームです。 単に断熱材を入れるのではなく、「SW(スーパーウォール)パネル」「高断熱サッシ」「24時間計画換気システム」の3つをセットで施工するのが最大の特徴。これらを組み合わせることで、新築同様の「高気密・高断熱」な住環境をつくり出します。
LIXIL独自開発!最高レベルの断熱材「SWパネル」
一般的な断熱リフォームでは、繊維系の断熱材(グラスウールなど)を壁内に充填する方法が主流です。しかしこの方法は、詰め込み方にムラがあると隙間ができやすく、将来的に湿気を吸って断熱性能が落ちてしまうリスクがあります。
対してスーパーウォール工法では、LIXIL独自の「SWパネル」を使用します。硬質ウレタンフォームを使用したこのパネルは、湿気を通しにくく、家の外周を隙間なく包み込むことができます。 これにより、高い断熱性を発揮するだけでなく、壁内部のカビや腐食リスクも低減します。

※画像出典:スーパーウォール | パネル製品<在来軸組工法>|LIXIL
その耐久性は実証済みです。LIXILが築20年経過したSW工法の住宅を解体調査したところ、水回りを含めてカビや結露の跡は見られず、断熱材は建築当時のままの状態を維持していました。

※画像出典:スーパーウォール | ずっと続く性能|LIXIL
体感と省エネを左右する「高断熱サッシ(窓・玄関ドア)」

※画像出典:スーパーウォール工法リフォーム 工法紹介|LIXIL
いくら壁(SWパネル)で魔法瓶のような「箱」を作っても、フタが開いていては熱が逃げてしまいます。住宅において、熱の出入りが最も多いのが「窓」や「玄関」。 ここが古いままでは「せっかくリフォームしたのに暖かくない」ということになりかねません。そのためスーパーウォール工法では、壁・床・天井の断熱施工に加え、開口部には必ず「高断熱サッシ」を採用し、家全体の断熱性能を底上げします。
健やかな空気を保つ「24時間計画換気システム」

※画像出典:スーパーウォール | 7つの特長 | 空気環境|LIXIL
家を高気密(隙間が少ない状態)にすると、空気の入れ替えが重要になります。そこでセットで導入されるのが、24時間計画換気システムです。実は、気密性が低い(隙間だらけの)家では、換気扇を回しても空気がショートカットしてしまい、うまく換気できません。SW工法のように気密性が高いからこそ、計画的に空気が流れ、湿気や汚れた空気を確実に排出できるのです。これにより、カビ・ダニの発生しにくいきれいな空気環境が整います。
高性能を「見える化」する品質管理プロセス
「本当に性能は上がるの?」という不安を解消するため、スーパーウォール工法では一棟ごとに性能を実測し、数値で証明する徹底した品質管理を行っています。
施工前の「断熱診断」による家の健康状態チェック

※画像出典:スーパーウォール工法リフォーム 工法紹介|LIXIL
効果的な断熱改修を行うには、まず「どこから熱が逃げているか」を知る必要があります。着工前には必ず「断熱診断」を実施し、壁・窓・床・天井まわりの状態や、隙間の現状を確認します。必要に応じてサーモカメラ等で熱の逃げ道を可視化し、「どこをどう直すべきか」の優先順位を明確にします。これにより、過不足のない最適な改修計画を立てることができます。
全棟実施の「気密測定」とC値の確認

※画像出典:スーパーウォール | 工法・製品 | 工法の概要|LIXIL
高性能なパネルを使っても、施工が悪くて隙間が空いてしまっては意味がありません。そのため、スーパーウォール工法では工事中(気密工程完了時)に、全棟で「気密測定」を実施します。
これは、専用の機械を使って家にどれくらいの隙間があるか(C値)を実測する検査です。 C値(隙間相当面積)とは気密性能を表す数値であり、この数字が小さいほど隙間が少なく優秀ということ。一般的なリフォームでは測定まで行うことは稀ですが、SW工法では「基準値(C値)をクリアしなければ次の工程に進まない」という厳しいルールがあるため、確かな施工品質が約束されます。
「性能報告書」の発行と「断熱材無結露35年保証」

※画像出典:スーパーウォール | 工法・製品 | 工法の概要|LIXIL
工事完了後には、家の性能を示す数値をまとめた「性能報告書」を発行し、証明書としてお渡しします。報告書には主に以下の数値が記載されます。
・UA値(外皮平均熱貫流率):「熱の逃げやすさ」を表す数値。小さいほど断熱性が高い。
・C値(隙間相当面積):「隙間の大きさ」を表す数値。小さいほど気密性が高い。
・Q値(熱損失係数):「熱の逃げにくさ」を表す数値。小さいほど冷暖房効率が良い。
さらに、LIXILによる「断熱材無結露35年保証」が付くのも大きな特徴です。万が一、SWパネル内部に結露が発生した場合、35年間保証されます。これは「壁内結露を起こさない」という、メーカーの品質に対する自信の表れといえます。
認定を受けた「加盟店」だけが施工できる責任施工体制
いくら高性能な断熱材やサッシを揃えても、それを隙間なく施工する「技術」が伴わなければ、本来の性能は発揮されません。特に気密・断熱工事は、数ミリの隙間も許されない繊細な作業です。
そのためスーパーウォール工法は、LIXILの認定を受けた「加盟店」しか施工ができないルールになっています。所定の研修を修了し、厳しい基準をクリアした「断熱と気密のプロ」が担当するため、どの現場でも設計通りの高性能な住まいが完成します。
「まるごと断熱リフォーム」と「スーパーウォール工法」の違いと関係性

※画像出典: まるごと断熱リフォーム/スーパーウォール工法リフォーム|LIXIL
LIXILのリフォームについて調べていると、「スーパーウォール工法」のほかに「まるごと断熱リフォーム」という言葉を目にすることがあります。「何が違うの?」「どっちを選べばいいの?」と疑問に思う方も多いですが、実はこの2つは対立するものではなく、「目的」と「手段」という密接な関係にあります。
・まるごと断熱リフォーム(目的・商品名)
家一棟をまるごと断熱改修し、新築レベルの性能を目指す「リフォームのコンセプト」。
・スーパーウォール(SW)工法(手段・技術)
その目的を達成するために用いる、LIXIL独自の高性能な「部材・技術・工法」。
つまり、「まるごと断熱リフォーム」というリフォームモデルの中に、いくつかの仕様(グレード)が用意されており、その中で、より高い断熱性や耐震性を求める場合に採用される、ハイクラスな工法が「SW工法」ということです。
スーパーウォール工法リフォームを選ぶメリット
リフォームのきっかけは「とにかく寒い家を何とかしたい」という切実な悩みであることがほとんどです。 しかし、スーパーウォール工法(SW工法)が選ばれる本当の理由は、暖かさの「その先」にあります。魔法瓶のような構造になることで、日々のストレスや不満がどう解消されるのか、具体的な暮らしの変化を見ていきましょう。
暖かく快適&ヒートショックを防ぐ

※画像出典:スーパーウォール | 7つの特長 | 温熱環境|LIXIL
魔法瓶のような保温性により、リビングと廊下、脱衣所などの温度差が解消されます。足元まで均一に暖まる快適さはもちろん、急激な温度変化によるヒートショックのリスクも大幅に軽減。高齢の方も安心して暮らせる環境になります。
カビ・ダニ・結露を抑制する

※画像出典:スーパーウォール | 7つの特長 | 空気環境|LIXIL
高い気密性能によって24時間計画換気が正しく機能するため、空気のよどみがなくなります。アレルギーの原因となるカビ・ダニの発生を抑えるとともに、家の寿命を縮める「壁内結露」も防ぎ、家と家族の健康を守ります。
地震に強い「モノコック構造」になる

※画像出典:スーパーウォール | 7つの特長 | 災害への備え|LIXIL
既存の柱に高性能パネルを一体化させ、地震の力を面で受け止める強固な「箱型(モノコック構造)」をつくります。 これにより、壁倍率は一般的な筋交い工法の4.3倍相当(※仕様による)を実現。建て替えをせずに、現在の新築レベルまで耐震性を引き上げることが可能です。
図書館並みの静けさを実現する

※画像出典:スーパーウォール | 7つの特長 | 音環境|LIXIL
隙間のない高気密な構造は、熱だけでなく「音」の出入りも防ぎます。 外からの騒音をシャットアウトするだけでなく、室内からの生活音漏れも軽減。交通量の多い道路沿いであっても、家の中は図書館のように静かで、音のストレスを感じにくい穏やかな暮らしが叶います。
光熱費の大幅削減につながる

※画像出典:スーパーウォール | 7つの特長 | 省エネ・創エネ|LIXIL
熱を逃がさないため冷暖房の効きが劇的に良くなり、少ないエネルギーで一年中快適な温度をキープできます。月々の光熱費を大幅に削減できるため、リフォームの初期費用はかかっても、長い目で見ればトータルの住居費を抑えることにつながります。
今の家を壊さずに活かせる
建て替えのようにすべてを解体するのではなく、愛着のある柱や梁を活かして性能をアップデートできます。廃材の排出を最小限に抑えられるため、環境にも優しい選択肢です。
お住まいの状態に合わせた3種類の施工方法
「高性能なリフォームをするには、家を一度骨組みにしないといけない(スケルトンリフォーム)」と思われがちですが、必ずしもそうではありません。 スーパーウォール工法では、「住みながら工事したい」「外壁も一新したい」といったご要望や、既存の壁の劣化具合に合わせて、主に3つの施工パターンから最適な方法を選択できます。
・外壁重ね張り(カバー工法)

画像出典:スーパーウォール工法リフォーム 工法紹介|LIXIL
今の壁の上から断熱材を張る方法。解体が不要でコストを抑えやすく、住みながら工事が可能です。
・外壁張り替え

画像出典:スーパーウォール工法リフォーム 工法紹介|LIXIL
外壁を剥がして断熱材を施工する方法。壁の中の柱や土台の腐食チェックも同時にできるため、構造面の不安も解消できます。
・スケルトンリフォーム

画像出典:スーパーウォール工法リフォーム 工法紹介|LIXIL
骨組みだけを残してすべて作り直す方法。間取り変更も含め、性能を最大限まで引き上げたい場合に採用されます。
施工に関する注意点
建物の構造によってはスーパーウォール工法でのリフォームができない場合があります。 まずは加盟店による現地調査で、施工可否をご確認ください。
スーパーウォール工法の費用相場

スーパーウォール工法の核となる「断熱改修(SWパネル施工)」と「高性能サッシ(窓・玄関ドア)への交換」にかかる費用は、一般的な広さ(30〜40坪前後)の住宅で、およそ300万〜500万円が目安となります(※)。
※上記は断熱・気密施工および開口部商品代の概算です。実際にはこれに加え、仮設足場代、解体撤去費、外壁・内装仕上げ費などが別途必要になります。
補助金制度もチェック
スーパーウォール工法によるリフォームは、高い省エネ性能が認められるため、国や自治体の補助金制度の対象となりやすいメリットがあります。 こうした制度は年度ごとに名称や予算が異なり、人気のある補助金は早期に受付終了となることも。現在利用できる制度があるか、最新情報を必ず施工店に確認し、賢く活用しましょう。
まとめ|スーパーウォール工法で「愛着」も「快適」も諦めない住まいへ
スーパーウォール(SW)工法によるリフォームは、冬の寒さを解消するだけでなく、地震への強さや、きれいな空気環境、光熱費の削減まで、暮らしの質を丸ごと高めてくれます。
しかし、どれだけ高性能な「箱」を作っても、それだけで幸せな暮らしができるわけではありません。 リフォームで大切なのは、ご家族がこれまで積み重ねてきた「思い出」や「愛着」を大切にしながら、これからの暮らしをより豊かにすることです。
私たち「サラホーム」桜建築事務所は、SW工法の認定店であると同時に、「ていねいに。ていねいに。」を合言葉にする地元の工務店です。ただ数値を追うのではなく、「思い出の詰まったこの家を残したい」「足元の冷えを気にせず暮らしたい」といった、お客様の一つひとつの想いを大切にし、親身になってリフォーム計画をご提案します。
「性能の違いを肌で感じてみたい」という方は、ぜひ完成見学会やモデルハウス見学会にお越しください。SW工法の暖かさや静けさを、実際に体感していただけます。
「ウチの家でも施工できる?」「費用はどれくらい?」など、まずは世間話をする感覚でお気軽にご相談ください。丁寧な仕事と確かな技術で、愛着ある我が家を「一番帰りたくなる場所」にするお手伝いをさせていただきます。
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監修者:髙橋 康征(たかはし やすゆき)
一級建築士/一級土木施工管理技士/CASBEE建築・戸建評価員/インテリアコーディネーター

日本大学生産工学研究科建築工学専攻修士課程を修了し、一級建築士として数多くのプロジェクトを手掛ける。家業の土木建設会社にて宅地造成・エクステリア施工業務を経て、桜建築事務所に入社。住宅分野に限らない幅広い知識による提案や固定観念に囚われない設計が好評を得ている。「ジャーブネット全国住宅デザインコンテスト グランプリ受賞」「2013年2022年2023年2024年LIXIL全国メンバーズコンテスト 地域最優秀賞受賞」など、住宅デザインコンテスト受賞実績を多数保有。