家事動線の良い家を建てるには?|間取りづくりのポイント3選

スタッフブログ2024年08月23日



家を建てる際に気を付けたいポイントはいろいろありますが、特に重要なのが「動線計画」です。なかでも、暮らしやすさを左右する「家事動線」は、家事と仕事の両立に悩む共働き世帯にとっては見逃せない条件のひとつではないでしょうか?
そこで今回の記事では、家事動線の良い間取りづくりのポイントやアイデアについてご紹介します。

 

効率の良い「家事動線」は暮らしにゆとりをもたらしてくれる




「動線」とは、家の中を人が移動する経路を線で表したものです。「生活動線」や「来客動線」「帰宅動線」などがありますが、そのなかの「家事動線」は料理や洗濯、掃除などの「家事」をする人の動きを表した線を指します。
家事動線の良し悪しは、暮らしやすさにも影響を及ぼします。

共働き世帯が多い現代において、少しでも家事をラクに時短したい・・・とお考えの方もきっと多いはず。「家事動線の良い間取り」と取り入れれば、家事の効率がアップし時短を叶えてくれます。
時短で生まれた時間は、家族と一緒に過ごしたり自分のために使ったりと、日々の生活にゆとりをもたらしてくれることでしょう。

 

家事動線の良い間取りづくりで意識したい3つのポイント




家事動線においては「妻だけ」「夫だけ」ではなく、家族みんなが同じようにラクに家事ができる工夫が大切です。
そこで、押さえておきたい3つのポイントについて解説します。


ポイント①:移動距離をできるだけ短くする


効率良く家事を行うためには、できるだけ少ない動きで、家族の誰もが家事をしやすい動線づくりが大切です。特に水まわりスペースを中心に、それぞれの空間へのアクセスがしやすい間取りづくりがポイント。
家の中に行き止まりをつくらない「回遊動線」を取り入れれば、無駄のないスムーズな動線が実現し、家事効率アップにつながります。


ポイント②:家事動線上に適材適所の「収納」を設置する


動線上の適材適所に、用途に合わせた収納が設けられていることも重要なポイントです。
部屋が物で溢れていると、使いたいときにすぐに物が見つからず、家事効率も下がってしまいます。

家事にまつわるアイテムは、大きなクローゼットにまとめて収納する「集中収納」よりも、使う場所の近くに収納を設ける「分散収納」の方が取り出しやすく使いやすいでしょう。
効率の良い家事動線の実現には、片付けやすい収納でスッキリした空間の維持が欠かせません。


ポイント③:水まわりスペースは1フロアにまとめる


2階建て以上の住宅では、キッチンと洗面所(洗濯室)、浴室などの水まわりスペースを1つのフロアに集約させましょう。
水まわりスペースがそれぞれのフロアに分散してしまうと、移動の際に階段を使うことになり、動線が複雑で家事がしにくい間取りになってしまいます。

 

「3つの家事」がラクになる!動線づくりのアイデア




家事効率をアップさせるには「料理動線」と「洗濯動線」「掃除動線」の3つの動線を意識した間取りづくりが重要です。
それぞれの動線ごとのアイデアをご紹介します。


①料理動線


料理動線とは、買ってきた食材や調理器具の収納、調理、片付け、ゴミ出しなどの一連の行動の経路を指します。料理動線では「回遊性」と「収納」がポイント。
「アイランドキッチン」など回遊性の高いキッチンでは、調理から配膳、片付けまでの流れがスムーズです。夫婦一緒に調理したり、ホームパーティーで複数人がキッチンに立ったりする場面では、このアイランドキッチンが最適です。
ただし、アイランドキッチンは、収納量の確保が難しかったり、まとまった広さが必要だったりとデメリットもあるため、ライフスタイルに合わせて検討するとよいでしょう。

キッチンカウンターの左右どちらかが壁に接している「ペニンシュラキッチン」などでも、キッチンとダイニングテーブルを横並びに設置すれば配膳がとてもスムーズになります。


②洗濯動線


洗濯動線とは、洗濯物を「まとめる・洗う・干す・畳む・しまう」といった一連の行動の経路を指します。それぞれの工程の場所移動に時間がかかると、家事の効率も悪くなってしまうため、できるだけ近い場所にレイアウトするのがポイントです。

・「洗う」「干す」場所を近くに配置する
・キッチンの近くにレイアウトしてそれぞれの家事をしやすくする
・「しまう」工程がラクになるよう、ファミリークローゼットを設ける
などの工夫が挙げられます。


③掃除動線


掃除動線とは、各部屋を掃除機などで清掃し、ゴミを捨てるまでの一連の行動の経路を指します。
掃除動線では、段差を少なくすることで掃除機をかける際にスムーズに動け、お掃除ロボットの使用も可能になります。

また、コンセントや掃除道具の収納場所の配置もポイントです。リビングや洗面所、各個室などに掃除道具を配置しておけば「ながら掃除」ができ家事効率がアップ。
コードレスタイプの掃除機やお掃除ロボットを使用する場合は、充電する「基地」の場所選びにもこだわりたいところです。

 

家事動線が良い間取りを叶える4つのスペース




家事動線をより良くするために「あれば便利」な4つの空間についてご紹介します。


玄関収納




ここでいう玄関収納とは「シューズクローク」や「シューズインクローゼット」「土間収納」などと呼ばれるスペースを指します。
靴だけでなく、傘やレインコート、子どもの外遊び用のおもちゃ、アウトドアグッズ、ペットのお散歩グッズなど、外出時に必要になるアイテムを収納できるスペースです。

玄関に収納すれば、泥や砂で汚れているものでも、廊下や部屋を汚さずに片付けられます。
広めにスペースをとれば、ベビーカーやシルバーカー(手押し車)、キャンプやスポーツ用品などの大きめのアイテムも置けて便利です。


パントリー




パントリーなど、食材をストックできるスペースを設置すれば、散らかりがちなキッチンが整理され使い勝手が良くなります。
食材だけでなく、たまにしか使わない調理器具などの保管にも最適。冷蔵庫や電子レンジ、ゴミ箱など生活感が出やすいアイテムも、パントリーにまとめれば空間がスッキリ片付きます。

さらに、玄関からパントリー、キッチンまで繋がる間取りにすれば、買ってきた食材をすぐにパントリーに収納でき、重い荷物を部屋の中まで運び入れる手間が省けます。

パントリー内は、可動棚を設けたりカゴや箱を利用して食材ごとにラベリングして収納したりと、使いやすい工夫をしましょう。
ストック品の管理がしやすくなり「まだストックがあったのに買い足してしまった・・・」という失敗を防げます。


ランドリールーム




洗濯にかかわる一連の工程を1ヵ所で完結できる「ランドリールーム」もおすすめです。
キッチンとランドリールームが近ければ「キッチンでオーブンを稼働している間に、ランドリールームで洗濯物を畳む」といった家事の同時進行が可能になります。

ランドリールームを設ける広さを確保できない場合は、洗面脱衣室や2階の階段ホールなどに室内干しユニットを設置すれば、天気や時間帯に左右されずに洗濯物を干せて、家事がラクになります。


ファミリークローゼット




家族の衣類をまとめて収納できるファミリークローゼットも、効率の良い家事動線で取り入れたい間取りのひとつです。
ファミリークローゼットとはその名の通り、家族全員の衣類を収納できるクローゼットのこと。乾いた洗濯物を各部屋のクローゼットにしまう作業は、意外と手間がかかり大変ですよね。
ファミリークローゼットがあれば、それぞれの部屋までの移動が省けます。また、ランドリールームに隣接させることで、さらなる時短が叶うでしょう。

 

厚木・海老名・町田で家事効率の良い間取りの家を建てるなら「サラホーム」桜建築事務所へ


今回は、効率の良い家事動線を叶える間取りづくりのポイントについてご紹介しました。
家づくりにおいて、すべての希望条件をクリアする動線づくりはなかなか難しいもの・・・。「料理がしやすい間取りにしたい」「苦手な洗濯が楽しくなる間取りにしたい」など、優先順位をつけることが大切です。
住宅の広さや予算などを踏まえつつ、ご家族みんなが笑顔で暮らせる間取りを実現しましょう。

厚木・海老名・町田を中心とした地域で注文住宅を手掛ける桜設計事務所「サラホーム」では、ご家族のライフスタイルに合わせた、家事動線の良い住まいをご提供いたします。
「家事がラクになる家を建てたい」とお考えの方は、ぜひ「サラホーム」桜建築事務所までお気軽にご相談ください。

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監修者:髙橋 康征(たかはし やすゆき)
一級建築士/一級土木施工管理技士/CASBEE建築・戸建評価員/インテリアコーディネーター



日本大学生産工学研究科建築工学専攻修士課程を修了し、一級建築士として数多くのプロジェクトを手掛ける。家業の土木建設会社にて宅地造成・エクステリア施工業務を経て、桜建築事務所に入社。住宅分野に限らない幅広い知識による提案や固定概念に囚われない設計が好評を得ている。「ジャーブネット全国住宅デザインコンテスト グランプリ受賞」「2013年2022年2023年LIXIL全国メンバーズコンテスト 地域最優秀賞受賞」など、住宅デザインコンテスト受賞実績多数。

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