二階建てガレージハウスの間取り実例と費用相場!コストを抑えるコツや広さの目安も
スタッフブログ2024年11月21日
趣味の車やバイクを格納するだけでなく、アトリエやワークスペースとしても活用できるガレージハウス。
「ビルトインガレージ(インナーガレージ)」など、都市部では敷地の限られるケースも多い中で、二階建てや三階建ての一階部分に車を停められるスペースを組み込むことで、限られた敷地でも「駐車場+居住空間」も確保できる点が人気を集めています。
しかし、いざガレージハウスを建てるとなると、費用や間取り、設計の注意点など、気なる点がたくさん生じてくるかもしれません。
この記事では、二階建てガレージハウスの間取り実例と費用相場をご紹介しながら、コストを抑えるポイントや広さの目安、さらに設計の注意点まで詳しく解説していきます。
「限られたスペースでもガレージハウスを建てたい」とお考えの方は、ぜひ参考にしてください。
二階建てガレージハウスの間取り実例と費用相場
二階建てガレージハウスのガレージ部分の費用は、使用する建材や設備によっても異なりますが、坪60~80万円が相場とされています。
ガレージの面積が大きくなるほどに、そして仕様にこだわるほどに建築費は高くなります。
※住宅会社ごとに費用の算出方法は異なります。ご検討中の場合には予めご相談いただくと安心です。
ここでは、仕上がりのイメージを3つの事例に分け、注文住宅でガレージハウスを施工する場合の費用相場をご紹介します。
①シンプル&コンパクトなガレージハウス
限られた土地面積や予算でもガレージハウスを諦めたくないという方におすすめなのが、シンプル&コンパクトなタイプのガレージです。シャッターを設けない写真のようなオープンタイプのビルトインガレージは、シャッター本体と取り付け費用が発生しないのでその分建築コストを抑えることができます。
また、延床面積を抑えることで建築費用を低く保てるのもポイント。建物の外壁で囲われているので、大切な愛車を風雨から守れます。
コンパクトなガレージハウスの魅力は、建築費用を抑えられるだけでなく、限られた空間を有効活用することで、快適で機能的な空間を実現できる点です。 収納スペースを工夫したり、玄関ポーチを併用させたりすることで、コンパクトなスペースでも快適に過ごすことができます。
車1台分の駐車スペースと居住スペースをコンパクトにまとめた間取りが特徴で、単身向け1Kほどの間取りであれば、ガレージと居住空間を合わせて50㎡前後でも計画可能でしょう。
建築費の総費用は面積や仕様にもよりますが、居住空間とガレージを合わせて1,500~2,000万円台が相場です。
②趣味も楽しめるゆとりのガレージハウス
広々としたガレージは、車を駐車するだけでなく、趣味のスペースとしても活用できます。例えば、車やバイクのメンテナンススペース、自転車の修理、DIYスペースや音楽・ダンススタジオなど、家族それぞれが趣味を楽しめる空間になるでしょう。建築費の総費用は面積や仕様にもよりますが、全体で2,000万円~3,000万円台が相場です。
シャッター付きで壁面で囲まれたガレージハウスは、オープンタイプに比べ建築コストが大幅にアップしますが、この価格帯であれば実現できる可能性は十分にあります。ただし、シャッターの仕様や仕上げ材の種類によっては高額になるため、あらかじめ決めた予算をオーバーしないよう、逐一費用を確認しながら計画を進めましょう。
ガレージ内に作業台や収納棚を設置すれば、さらに使い勝手が向上します。趣味の道具や機材を整理整頓しておくことで、快適な作業環境を実現できます。
休日は、ガレージで愛車を眺めながらコーヒーを飲んだり、友人とバーベキューを楽しんだり、趣味に没頭したりと、充実した時間を過ごせるでしょう。
※ご紹介した建築費の費用相場につきましては、ガレージ部分の仕様だけでなく、住宅そのものの大きさや性能レベル・採用する設備仕様によっても大きく変動するものです。あくまでも目安としてお考えください。
③家族みんなが快適な豪華ガレージハウス
広々としたガレージに、充実した居住空間を兼ね備えた豪華なガレージハウスは、車好きのご家族にとって憧れの存在といえるでしょう。 予め駐車台数、利用方法、愛車の展示レイアウトなど想定して土地や建物の広さを決めておくと、駐車スペースを確保しながら、リビングや寝室、子ども部屋など住まい部分の面積を圧迫することなく、ゆとりのある間取りの家が実現します。
また、ガレージの動線と生活動線をしっかりと分けることができるため、生活の利便性を損なうことない質の高いガレージハウスにできるでしょう。
さらに、ガレージ横をガラス張りにして、室内から愛車を眺められる空間をつくる設計など、よりカーライフを楽しめる仕様も実現できます。
夢を叶えるためには、綿密なプランニングと、ある程度の予算を見込む必要があります。
例えば、延べ床面積が150㎡を超えるような二階建てガレージハウスの場合、建築費用は4,000万円を超えることも珍しくありません。
ガレージ内の仕様は、内装材やシャッターのグレードなど、組み合わせによって費用が大きく変わるため、居住空間にかける費用とのバランスに考慮しながら予算を組むことが大切です。
ガレージハウスの建築費用を抑えるポイント
ガレージハウスを建てる際には、工夫次第でコストを抑えることが可能です。 ここでは、費用を抑えるためのポイントをいくつかご紹介します。
家の構造を選ぶ
ガレージハウスの建築費用は、建物の構造や工法によって大きく変わってきます。そのため、建築費用を抑えたいのであれば、まずは構造に注目してみましょう。
一般的に、住宅は以下の構造によってつくられます。
コストを抑えたいのであれば、木造(木造軸組工法)を選ぶと良いでしょう。木造はほかの構造と比べて建築費用が安く、比較的設計の自由度が高いため、間取りや外観の要望を反映させやすいというメリットもあります。
ただし、車が出入りできるほどの大きな間口を設けるガレージハウスでは、木造のみでは耐震性を確保できないといった理由から、鉄骨との混構造になることもあります。
構造は家の強さに関わる重要なポイントのため、担当の設計者にアドバイスを受けながら計画を進めましょう。
広さを抑える
ガレージハウスの建築費用を抑えるためには、ガレージ部分の広さを抑えることが有効な手段です。
ガレージハウスでは、一般的に居住部分よりもガレージ部分にかかる工事費用が高いケースが多く、広さを抑えたガレージであれば特殊な工法を検討する必要もないため、構造設計などにかかる費用も抑えられます。
ガレージハウスに必要な広さは、駐車する車の台数や大きさ、収納したいものなどによって異なります。そのため、事前にしっかりと計画を立て、必要な広さを明確にしておくことが重要です。
ガレージ部分の広さは車1台につき約5坪程度必要となりますが、車のメンテナンスやアウトドア用品の保管など、他の用途にも使用する場合は、さらに広めのスペースを確保する必要があるでしょう。
実際使用するイメージを具体的に考えながらプランニングすることで、コストと使い勝手のバランスがいいガレージハウスが実現します。
シンプルな形状にする
ガレージハウスの費用を抑えるには、建物の形状をシンプルにすることが効果的です。複雑な形状やデザインは避け、四角形や箱型のシンプルな形を選ぶことで、建築コストを抑えられます。また、ガレージハウスは一階部分が空洞となるため、多くの壁がある居室よりも耐震性が弱くなるのが一般的です。しかし、建物の凹凸がない四角形などの形状にすることで、地震時にも部分的に負荷がかかることなく、揺れの力がバランスよく分散されます。
シンプルな形状のガレージハウスは、コスト面でも耐震面でもメリットの多い形といえるでしょう。
それでもデザイン性を追求したいとう場合には、費用とのバランスや耐震性のリスクを考慮しながら、建築会社とよく相談しましょう。
建材を選ぶ
ガレージハウスの費用は、採用する建材によっても大きく変わってきます。
ガレージの内装は希望するテイストや使い勝手に合わせて選ぶことが大切ですが、費用を抑えたい場合は、塗装仕上げやシンプルなクロスがおすすめです。
ただし、排気や汚れが気になるという場合は、拭き上げしやすいコンクリート打ちっぱなしやタイルなども検討してみましょう。コンクリート打ちっぱなしは、無骨でスタイリッシュな雰囲気を演出できます。タイルは、デザインやカラーバリエーションが豊富なので、個性的な空間づくりに最適です。
シャッターの有無やグレードも、ガレージの費用を大幅に左右するポイントになります。
スペースに余裕がなくコストもできる限り低く抑えたい、という場合にはシャッターのないオープンなガレージが最適です。
ただし、ガレージハウスは空き巣などにとって好都合な死角を生みやすい側面もあるため、防犯性を重視するならシャッター付きを採用しましょう。
間口の広いガレージのシャッターは非常に重いため、予算が許すなら電動シャッターの採用をおすすめします。
火災保険を見直す
住宅ローンを利用してガレージハウスを建築する際には、火災保険への加入が必須となります。
火災保険は、火災だけでなく、台風や落雷などの自然災害、盗難、水漏れなど、幅広いリスクに対応してくれるため、万が一の際に備えておくことが重要です。
火災保険の保険料は、建物の構造や建築年数、所在地、補償内容などによって決定されます。ガレージハウスの場合、居住用の住宅とは構造や用途が異なるため、火災保険の内容も見直すことが大切です。
補償内容に「家財」を含むのか、含む場合の掛け金はどの程度にするのか、特約を付けるか、などといった点を細かく見直していくと、保険料を数万円単位で下げられる可能性があります。
ただし、ガレージのシャッターは万一不具合が生じると多額のメンテナンス費用が必要になります。「外部からの飛来物等による補償」を付けるなど、ガレージハウスの仕様に適した内容になるよう考慮しましょう。
ガレージハウスに必要な面積の目安
ガレージハウスを建てる際に検討するべきことの1つが、必要な広さです。駐車する車の台数や大きさ、収納スペースや人の動線などを考慮して、最適なガレージの面積を検討しましょう。一般的には、車のサイズに加え、以下の寸法が広さ決めの参考値となります。
【ガレージの広さに関わる必要寸法】
・通路幅:0.6m
・ドアの開閉:0.7m
・トランクの開閉(跳ね上げ式):1.0m
・車と壁の距離:0.2m
・車とシャッターの距離:0.5m
さらに、作業場や玄関ポーチを併用する場合は、駐車スペース以外に必要な通路幅や作業スペースの有効寸法をしっかりとチェックしたうえで計画することで、家族全員が使いやすいガレージになるでしょう。
車1台の場合
車1台分に必要な駐車スペースは、およそ「幅2.5m×奥行6m」が目安です。
ガレージハウスは駐車部分が壁に取り囲まれているため、幅に余裕を持たせた「幅3.0m×奥行6.0m」が必要最低限の寸法となります。この広さがあれば、一般的なサイズの普通乗用車を駐車することができます。
しかし、車種によってはさらに大きなサイズが必要になる場合もあるため注意が必要です。車体の大きなSUVや海外メーカーの車だけでなく、ミニバンなど背の高い車についても、事前に車体のサイズを確認しておきましょう。
車2台の場合
車2台を駐車する場合には、「幅5.0m×奥行6.0m」程度の広さが必要最低限の寸法です。
ただし、車を2台以上停める際は車種類の組み合わせも考慮することが重要です。軽自動車2台であれば上記の寸法でも十分なゆとりを感じられるかもしれませんが、ミニバン2台であれば出し入れが難しくなります。
車が出入りする際の軌道なども考慮しながら、必要な広さを確保しましょう。
自転車やバイクも収納する場合
また、自転車やバイクも収納するという場合は、さらに広さが必要になります。自転車1台に要する駐輪スペースは「幅0.6m×奥行1.9m」ほど。バイクは種類により差が大きいものの、標準的なサイズであれば「幅1.0m×奥行2.5m」程度で駐車可能です。これらの収納スペースも考慮して、ガレージ全体の広さを計画しましょう。
二階建てガレージハウス設計時の注意点
二階建てガレージハウスを設計する際には、ガレージ空間と居住空間の両方の使い勝手を考慮することが重要です。快適で機能的なガレージハウスを実現するために、いくつかの注意点を以下にまとめました。
出し入れしやすさへの配慮
快適なガレージにするためのポイントとして、まずは「車の出し入れのしやすさ」が挙げられます。ガレージの前面道路の幅員が十分かどうか、道路とガレージの間に段差がありすぎないかなど、事前に確認しておくことが重要です。
ガレージの開口寸法を十分に確保し、車種や運転スキルに合わせたゆとりを持った設計にすることで、安全かつスムーズな車の出し入れを実現できます。
収納スペースの工夫
収納スペースを十分に確保しておくことで、使い勝手の良いガレージハウスになります。
タイヤや工具、アウトドア用品など、ガレージに収納したいものをリストアップし、必要な収納スペースを検討しましょう。
棚やフックなどを効果的に活用することで、限られたスペースを有効に使うことができます。
居住スペースとの両立
快適な居住空間にするための大切なポイントとして、「居住スペースとのバランス」が挙げられます。ガレージにスペースを取りすぎると居住スペースが狭くなってしまうため、両者のバランスを考慮した設計が重要です。
あまりにも敷地が狭くゆとりがないという場合には、3階建てを検討するのも一つの解決方法です。
玄関ポーチなど、居住スペースとガレージを一部共有することで面積を有効活用できますが、車が出入りする際の視認性を確保するなど、安全性にも考慮しましょう。
日当たりや風通しの確保
ガレージは密閉空間になりがちなため、日当たりや風通しにも配慮する必要があります。
窓を設けて採光や通風を考慮した設計にすることで、明るく快適なガレージ空間になるでしょう。
また、換気システムを設ければ、通風を確保できるだけでなく、 車の排気やよどんだ空気を一掃することができます。
音や振動への対策
ガレージと居住空間が一体になったガレージハウスでは、音や振動への配慮も重要です。
特に寝室などの静かな部屋に隣接してガレージを配置する場合には、壁や床を防音仕様にするなど、音や振動が伝わりにくい工夫を施しましょう。
法的規制や固定資産税の確認
ガレージハウスは、建築基準法上の扱いで、容積率の計算において一部緩和措置が適用されます。
家の広さは敷地面積に対する延床面積の割合である「容積率」によって制限されますが、ビルトインタイプのガレージは「延床面積の5分の1」を超えない場合に限り延床面積に含まれないため、居住スペースを最大限確保できます。
一方で、「ビルトインガレージは延床面積の5分の1未満の場合、固定資産税の対象にならない」 という文言がインターネット上などで散見されますが、こちらは緩和措置の内容を誤認したものです。
固定資産税の評価においては、ガレージハウスのガレージ部分も延床面積に含まれるため、容積緩和の内容と混同しないよう注意しましょう。
厚木・海老名・町田でガレージハウスを建てるなら「サラホーム」桜建築事務所へ
ガレージハウスについての間取り実例や費用、設計ポイントについてお伝えしました。今回ご紹介した内容を参考に、ぜひ理想のガレージハウスを実現してくださいね。
「サラホーム」桜建築事務所では、お客様の夢を実現するために、デザイン性と機能性を兼ね備えた、理想のガレージハウスをご提案いたします。
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まずはお気軽にお問い合わせいただき、お客様のこだわりや理想の家づくりについてお聞かせください。
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監修者:髙橋 康征(たかはし やすゆき)
一級建築士/一級土木施工管理技士/CASBEE建築・戸建評価員/インテリアコーディネーター
日本大学生産工学研究科建築工学専攻修士課程を修了し、一級建築士として数多くのプロジェクトを手掛ける。家業の土木建設会社にて宅地造成・エクステリア施工業務を経て、桜建築事務所に入社。住宅分野に限らない幅広い知識による提案や固定概念に囚われない設計が好評を得ている。「ジャーブネット全国住宅デザインコンテスト グランプリ受賞」「2013年2022年2023年LIXIL全国メンバーズコンテスト 地域最優秀賞受賞」など、住宅デザインコンテスト受賞実績を多数保有。
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