【注文住宅 vs 建売】価格差はいくら?特徴やメリット・デメリットを比較

スタッフブログ2025年09月03日

注文住宅と建売住宅の比較イメージ

家を建てる、購入するというのは、多くの方にとって人生の一大イベントです。
マイホームを検討していくうえで、「注文住宅」と「建売住宅」のどちらにすべきか悩む方も多いのではないでしょうか。どちらにも魅力や注意点があり、また価格にも大きな差があるため、違いを理解したうえで判断するのが大切です。

この記事では、注文住宅と建売住宅の価格差やそれぞれの特徴、メリット・デメリットを詳しく比較します。実際にどちらを選ぶべきか迷ったときの判断基準も紹介し、理想の住まい選びをサポートします。ぜひ最後までご覧ください。

 

注文住宅と建売住宅の価格差


家とお金のイメージ

家の購入を検討する際、最も気になるポイントのひとつが「価格」ではないでしょうか。注文住宅と建売住宅では、どのくらいの価格差があるのか気になりますね。ここでは、【フラット35】を取り扱う住宅金融支援機構の2024年度調査結果をもとに、全国平均と地域別のデータを詳しく紹介します。

 

全国平均の価格差


全国的に見ると、注文住宅は建売住宅よりも平均して高額になる傾向があります。
調査結果によると、土地取得費と建設費をあわせた注文住宅の平均価格は「5,007万円」でした。一方、建売住宅の平均購入価格は「3,826万円」です。つまり、全国平均で「1,181万円」もの価格差が生じていることになります。

 

地域別の価格差


さらに地域別の価格差について、敷地面積や住宅面積、建物の平米単価をあわせてみていきましょう。



・首都圏:東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県
・近畿圏:大阪府、京都府、兵庫県、奈良県、滋賀県、和歌山県
・東海圏:愛知県、岐阜県、静岡県、三重県

首都圏では注文住宅の平米単価が53.6万円、建売住宅でも44.7万円と、全国の中でも突出して高い水準となっています。これは土地価格が圧倒的に高いことが主な要因であり、建物自体の面積が比較的コンパクトであるにもかかわらず、総額が大きくなりやすい構造となっています。

特徴的なのは、東海圏において注文住宅と建売住宅の平均価格差が1,700万円超と極めて大きい点です。これは、注文住宅の敷地面積・延床面積の広さに加え、建売住宅の平米単価が31.3万円と全国的に見てもかなり低く抑えられていることが影響していると考えられます。

その他の地域は、広い土地に安く家が建てられる一方で、注文住宅と建売住宅の価格差は1,400万円超と依然大きい傾向がみられました。

参考:住宅金融支援機構|2024 年度 【フラット35】利用者調査

 

価格差が生じる理由とは?


注文住宅と建売住宅の価格差が生まれる主な理由には、以下のような要素があります。

・設計・仕様の自由度
注文住宅は、間取りや設備、内外装などすべてを自由に決められるため、その分コストがかさみます。一方、建売住宅は、設計や仕様が画一化されており、資材をまとめて大量発注することでコストを抑えています。

・建築過程や工程管理
注文住宅は一棟ごとに工事が進むため、効率的な工程管理が難しくなり、人件費や資材のロスが出やすくなります。対照的に、建売住宅は同じ仕様の家を複数同時に建てることで、作業を効率化し、人件費や資材費を節約できます。

・土地の取得方法の違い
建売住宅は、開発された分譲地で土地をまとめて仕入れるため、土地の取得費用を抑えられます。一方、注文住宅は、土地探しから始めることが多く、好立地や広い土地を選べば選ぶほど、土地代が高くなり、全体の費用が上がりやすくなります。

 

注文住宅の特徴、メリット・デメリット


注文住宅ならではの魅力的な空間 サラホームの施工事例

注文住宅は、自分のライフスタイルや理想に合わせて一から家づくりができるのが大きな魅力です。ここでは、注文住宅の特徴や、建築条件付き土地との違い、メリット・デメリットについて解説します。

 

注文住宅とは?建築条件付き土地との違いも


注文住宅とは、施主の要望やライフスタイルに合わせて設計・建築する住宅のことです。土地選びから設計、建築までを自分の理想通りに進められ、間取りや設備、内外装材なども自由に決められます。

注文住宅との違いがわかりにくいものとして「建築条件付き土地」がありますが、こちらは「一定期間内に指定された建築会社と契約して家を建てること」が条件となっている土地のことです。
プランの自由度は注文住宅に近いものの、施工会社や一部仕様が限定される場合があります。完全な自由設計を求めるなら、建築条件が付かない土地を選ぶとよいでしょう。

 

注文住宅のメリット


・好きな土地を選べる
自分たちが住みたいエリアや通勤・通学の利便性、周辺環境などにこだわって土地を選べます。駅近や日当たり、静かな環境など希望条件を優先できるため、納得のいく立地での家づくりができるでしょう。

・自分たちに合った住宅会社を選べる
工務店やハウスメーカーなどから、自分たちに合った信頼できる会社を選んで依頼できます。営業・設計士など担当との相性や会社ごとの特徴も比較できるので、理想に近い家を建てやすいのが魅力です。

・完全自由設計で理想の住まいが実現できる
間取りやデザイン、設備、収納計画など、家族のライフスタイルや将来の変化に合わせた家づくりができます。趣味の部屋や在宅ワークスペースを取り入れたり、ペットが暮らしやすい工夫をしたりと、細部まで家族の希望を反映できる点もメリットです。

・建築過程をチェックできる
設計段階から完成まで家づくりの全工程に関わることができ、現場の進捗や工事の品質も自分の目で確認できます。気になる点があれば現場で修正や変更の相談ができるため、安心して家づくりを進められるでしょう。

 

注文住宅のデメリット


・価格が高くなりやすい
自由設計のため、こだわるほど建築費や設備費などのコストが上がりがちです。要望を詰め込みすぎると想定より大幅に予算が膨らむこともあるため、事前の予算管理やコスト調整が重要になります。

・完成までの期間が長い
注文住宅は、完成まで長い時間を要します。土地探しから始まり、理想の家を建てるための設計や仕様の打ち合わせを何度も重ねます。そしてようやく建築がスタートするため、着工から完成・入居まで1年以上かかることも珍しくありません。引っ越し時期に余裕を持って計画する必要があり、急いで住まいを移りたい場合には向いていません。

・仕様決めや打ち合わせに多くの労力が必要
間取りや設備、外観、色など細かな部分まで自分で決めていく必要があり、打ち合わせや情報収集の手間も多くなります。家族間で意見が分かれる場合は、調整に時間がかかることもあるでしょう。

・住宅ローンの組み方や支払いタイミングが複雑
建物と土地それぞれで契約や決済が必要になる場合が多く、つなぎ融資や中間金の支払いが発生するなど、資金計画が複雑になりがちです。

 

建売住宅の特徴、メリット・デメリット


建売住宅の街並み

建売住宅は、すでに建築済み(もしくは建築途中)で販売されている住宅です。ここでは、建売住宅の特徴や分譲住宅との違い、メリット・デメリットについて解説します。

 

建売住宅とは?分譲住宅との違いも


建売住宅は、不動産会社やハウスメーカーなどがあらかじめ土地と建物をセットにして販売する住宅です。設計や設備、間取りなどはすでに決まっていることが多く、完成していれば実際の建物や周辺環境を見学できるのが特徴です。

「分譲住宅」も建売住宅の一種ですが、こちらは複数棟の建売住宅をまとめて開発・販売するケースを指します。一つひとつの区画で購入できる点は同じですが、分譲住宅は街並みが統一されている点が大きな特徴です。

 

建売住宅のメリット


・価格が明確で予算計画が立てやすい
土地と建物がセットで販売されているため、総額が分かりやすく、追加費用も発生しにくいのが特徴です。予算オーバーの心配が少なく、資金計画や住宅ローンの手続きも比較的シンプルに進められます。

・購入から入居までがスピーディ
すでに完成している物件であれば、契約後、数週間から1ヶ月程度で引っ越しが可能です。転勤や進学などで急いで新居を必要とする場合や、今すぐ住み替えたい方には大きなメリットとなります。

・実際の建物や周辺環境を確認できる
完成した建物を実際に見学・体感できるため、住み始めてからのギャップが少なく、安心して購入を検討できます。「外観や内装のイメージが湧きづらい」「思っていたのと違うと完成後に後悔したくない」という方にもおすすめです。

・分譲住宅なら複数棟から選択できる
分譲地内の複数の建売住宅から、間取りや方角、区画などを比較しながら選べます。家族の希望や予算、生活スタイルに合った住まいを効率よく探せる点も大きなメリットです。

 

建売住宅のデメリット


・間取りや設備の自由度が低い
すでに設計や建築が終わっているため、間取りや設備を自由に選ぶことはできません。理想の間取りや、好みのキッチン・バスルームなど、こだわりたいポイントがある人にとっては、物足りなさを感じることがあるでしょう。

・仕様や設備のグレードに差がある
建築コストを抑えるために、設備や内装の一部仕様が最低限に設定されている場合があります。購入前に、気になる点がないかよく確認しましょう。

・同じようなデザインの家が多い
複数棟をまとめて開発・販売することが多いため、外観や内装のデザインが画一的になりがちです。街並みに統一感が生まれる一方で、個性や自分らしさを表現したい方にとっては、物足りなさを感じるかもしれません。

・住宅性能や省エネ性が必ずしも高いとは限らない
建売住宅はコストを抑えるために、断熱性や耐震性、省エネ性などが高水準でない場合があります。そのため、購入後の光熱費や住み心地に影響が出る可能性も。性能面においても納得のいく物件かどうか、仕様書や性能表示をしっかり確認することが大切です。

 

注文住宅と建売住宅、どっちを選ぶ? 判断基準と選び方のポイント




注文住宅と建売住宅、それぞれに良さがあります。だからこそ、どちらを選ぶべきか迷う方は多いでしょう。ここでは、価値観や希望、ライフプランを整理しながら、ご自身に合った家を選ぶためのポイントを解説します。

 

家づくりにかけられる時間と労力


家づくりに「どれくらいの時間や労力をかけられるか」は、大きな判断材料となります。注文住宅は、土地探しから始まり、設計や仕様の打ち合わせを重ねていくため、完成・入居までおおよそ半年~1年、場合によってはそれ以上の期間が必要です。「家づくりそのものを楽しみたい」「自分たちの理想をじっくりと形にしたい」という方にはぴったりです。

一方、完成物件である建売住宅は、購入後すぐ住めるため、「今すぐに引っ越したい」「忙しくて家づくりに時間をかけられない」という方に向いています。

 

家へのこだわりや希望の度合い


「どんな家に住みたいか」「どこまで理想を叶えたいか」も、選ぶ際の大きなポイントです。オリジナリティのある住まいはもちろん、趣味を楽しめる空間がほしい、将来の家族構成の変化を見越した間取りにしたいなど、強いこだわりがある方には注文住宅がおすすめです。

逆に、「シンプルな造り、スタンダードな間取りで十分」「特に間取りや設備に強いこだわりがない」という方は、建売住宅でも十分に満足できるでしょう。

 

土地の有無と取得方法


すでに土地を所有している場合や、特定のエリア・学区などで土地を探したい場合は、注文住宅のほうが柔軟に対応できます。土地探しから始めるのが面倒な方や、希望エリアに分譲地がある場合は、建売住宅の方がスムーズに家づくりができます。

 

予算との兼ね合い


予算に限りがある場合は、総額を抑えやすい建売住宅が向いています。土地と建物がセットのため、価格が明確なのもポイント。資金計画を立てやすく、追加費用が発生しにくいのも安心です。

一方、注文住宅は自由度が高い分、仕様や設備にこだわればこだわるほどコストがかさみがちです。「理想の家を注文住宅で建てたいけれど、費用面が心配」という方は、予算上限を明確にし、譲れない部分と妥協できる部分をよく見極めながら計画を進めましょう。
住宅会社によっては予算に合わせた提案もしてくれるので、遠慮せずに相談してみることをおすすめします。

 

将来のライフプラン


注文住宅は、建て始める前に家族の成長やライフスタイルの変化を想定した設計ができます。例えば、二世帯同居を前提とした間取りや、子どもの成長に合わせて仕切れる可変性のある部屋、在宅ワークスペースの確保など、将来のニーズや変化を見越して計画できます。また、あらかじめ老後に備えたバリアフリー化もしておけます。

一方、建売住宅は、完成しているか間取りがすでに決まっているため、購入を決めてから希望に合わせて変更するというわけにはいきません。今後見込まれる変化に対応するには、将来的に大規模なリフォームを必要とする場合もあります。

 

まとめ|厚木・海老名・町田で注文住宅を建てるなら「サラホーム」桜建築事務所へ


サラホームの施工事例 開放的なリビング

注文住宅と建売住宅は、それぞれ「価格」「自由度」「入居までのスピード」といった異なる特徴とメリットがあります。家族の理想やライフスタイル、将来のビジョン、予算などをもとに、じっくりと比較・検討することが大切です。

「細部まで自分たちのこだわりを詰め込みたい」「家族の成長や変化に合わせて間取りを変えられる住まいにしたい」という方には、注文住宅がおすすめ。きっとあなたの理想を叶える家づくりになるでしょう。

神奈川県愛甲郡愛川町に本社を置く「サラホーム」桜建築事務所は、お客様の理想の住まいづくりをサポートする地域密着型の住宅会社です。「性能」「設計」「価格」の3つのバランスを大切にすることで、お金をかけなくても最新性能と高いデザイン性・暮らしやすさを備えた家づくりを実現します。厚木・海老名・町田エリアで注文住宅をご検討中の方は、まずはお気軽にご相談・お問い合わせください。あなたとご家族の幸せな住まいづくりを、私たちサラホームが全力でサポートいたします。

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監修者:髙橋 康征(たかはし やすゆき)
一級建築士/一級土木施工管理技士/CASBEE建築・戸建評価員/インテリアコーディネーター



日本大学生産工学研究科建築工学専攻修士課程を修了し、一級建築士として数多くのプロジェクトを手掛ける。家業の土木建設会社にて宅地造成・エクステリア施工業務を経て、桜建築事務所に入社。住宅分野に限らない幅広い知識による提案や固定観念に囚われない設計が好評を得ている。「ジャーブネット全国住宅デザインコンテスト グランプリ受賞」「2013年2022年2023年2024年LIXIL全国メンバーズコンテスト 地域最優秀賞受賞」など、住宅デザインコンテスト受賞実績を多数保有。

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